2011年12月11日

スマの高校お受験X

スマ劇場.gif


六畳一間の和室という簡素な教室に
学友はたった二人だけという塾。
スマが抱いていた塾のイメージとは
かなりかけはなれたものでしたが、何はともあれ念願の塾に入ったスマ。

金歯先生は第一印象と違い、穏やかで温和な性格のようでした。
スマたちが問題を解いている間、にこやかに笑みを浮かべながら、
3人のまわりを歩き回ります。
「大丈夫? 解けるかな」
鉛筆の動きが止まったときには、静かに声をかけてくれたりもしました。

「さあ、皆さん時間ですよ。手を止めて」
金歯先生の合図で2人が手を止めて問題用紙から顔をあげます。
慌ててスマもそれに倣いました。

「それでは解答を配りますから自分でまず答えを合わせてください」
金歯先生が用紙を集めて答え合わせするのかと思いきや、
各自で自己採点をするようです。
よく考えたらこの塾には、教室にあるべきはずのものがありませんでした。
それは黒板です。
黒板のない教室は、何とも不思議な光景でした。
問題を説明したりするときはどうするんだろう。
などと考えていると
「スマちゃん、どうですか、合ってますか」
金歯先生がスマのところにやってきました。
「あ、はい合ってます」
解答用紙と自分の問題用紙を見比べ、全問正解なのを確認し、
慌てて答えます。
「すごいですね。全問正解ですよ。面積好きなのかな」
ニカッと笑った口元から金歯がキラン。
その顔はちょっと怖い。
「結構好きな方かも」
口元を見ないようにうつむき加減のスマ。
「成績を上げるにはその教科を好きになることが一番」
金歯先生はスマの肩をポンポンと叩いていきました。

「Mくんはどうかな。おおこちらも全問正解。さすがだね」
ちょっと横太りの男子生徒はMくんというらしい。
Mくんは褒められても、能面のごとく無表情のまま。
当然といった感じなのでしょう。

「Yさんは、おっと残念、1問不正解」
ソバカス顔の女子生徒はYさん。
Yさんはひとりだけ不正解で、ちょっとむくれ顔です。
そんなYさんの表情を見てとった金歯先生は
「大丈夫。うっかりミスだから、考え方は正しいですよ」
優しく声をかけます。
途端にYさんの表情が明るく輝きました。
きっと褒められて伸びるタイプなのでしょう。
金歯先生はYさんを上手くコントロールしているみたいでした。

cat.jpg

「さあ、では次の問題配りますよ」
どうやらここでは、問題を解いては採点し、次の問題を解く、
といった方式のようです。
配られた用紙に目を移すと、今度も面積問題でしたが、
先ほどのより少しレベルが上がっていました。

「はい時間は15分です。よう〜い、始め」
金歯先生の掛け声で、一斉に問題に取り掛かり始めます。
Mくんは淡々と鉛筆を動かし、Yさんは今度こそうっかりミスはしまいという
堅い表情で用紙を見つめていました。
当たり前のことですが、二人は真剣そのもので問題に取り組んでいます。
スマは問題よりも二人の様子が気になって、なかなか集中できません。

個人塾ならではの先生と生徒の密接な信頼関係。
それが金歯先生とこの二人の間には出来あがっているような気がしたからです。
早く仲間になりたいな。
本来ライバルであるべき人たちを前に、スマはそんなことを考えていました。

その日のうちにYさんとすっかり仲良しになろうとは、
まだ気づきもせずに・・・・・。

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その個人塾の方式は6時〜8時までの2時間の間に
15分で問題を解き、15分で採点をし、また問題を解く。
といった繰り返しでした。

そして2時間の間に2教科を行います。
数学15分を2セットと社会を15分を2セットという風に。
15分の採点時間の中に不正解だった問題を先生が
丁寧に解説してくれる時間も含まれています。
ときには全問正解者が教えてくれることもありました。

全員が生徒で全員が先生。
それがこの塾の方針のようでした。

そばかす顔のYさんとは、意外と早く仲良くなるのですが、
そのお話はまた次に・・・・・。

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高知もめっきり冷え込んできました。
年末の慌ただしい時期に事故が多くなってきます。
皆さんもお気をつけください。

ちなみ私は昨日、階段から落っこちて足を捻挫し、
背中と腰をしこたま強打してしまいました。
足腰が弱っている証拠かな。
来年は運動しようと心に誓う今日この頃でした。

posted by smile-one at 21:33| Comment(14) | TrackBack(0) | スマ劇場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
へえー、
塾の様子は、公文に似てるね、
ひたすら問題を解いて反復して憶えるのが1番かもしれませんね
私はそれをしなかったのでバカなのでしょう(笑)
Posted by 落合 at 2011年12月12日 09:11
いつも思うのです
Damselが書いていると
Damselの気配

何者でもない気配に憧れるのですが、、
難しいですね。
Posted by Damsel at 2011年12月12日 11:12
こんにちは

師と弟子の関係って大切ですね。
最近、松下村塾の勉強をしています。

ところでおっちょこちょいをして怪我をしないようにしてくださいね。
私なんか階段から落ちたりしたら
必ず何箇所か骨折します。
え?なぜって……
重いからです。少し規格外です。

あと、僕のブログの「お気に入り」と
リンクさせてくださいね。
Posted by 根岸冬生 at 2011年12月12日 16:43
私の子供時代は(遥か、遥〜か昔ね)、田舎の塾は
こんな感じでしたね、だから読んでて懐かしい(笑)。

ところで足首の捻挫、クセにならないように
気をつけてね。私なんか階段には手すり付けてます、
だって落っこちたら大変だもん。
Posted by バルおばさん at 2011年12月13日 00:04
こんにちは♪
いつも訪問&コメントありがとうございます。
へぇ・・・
大勢じゃなくて、少ない人数だったんですね。
学友が二人かぁ。
ちょっと寂しいかもしれないけど、その分距離も
近くてなじみやすかったのでは。
塾が念願と思えたスマイルさんが凄い(笑)
足腰弱まるには若すぎます。
ウォーキングくらい始めて頂戴ね。
私も捻挫が長引いてます。
お大事にね。
Posted by hirokun at 2011年12月13日 09:05
>落合さん

訪問&コメントありがとうございます。
公文と似てる?
公文には行ったことがないからわからないけど。

個人塾だったからマンツーマンで丁寧だったよ。
Posted by smile-one at 2011年12月14日 01:01
>Damselさん

訪問&コメントありがとうございます。
何者でもない気配、確かに憧れますね。

反面、その人にしか出せない空気感にも
憧れてしまう私です。
Posted by smile-one at 2011年12月14日 01:03
>根岸さん

訪問&コメントありがとうございます。

私は学生時代、いい先生に恵まれました。
この塾の先生もその一人です。

学ぶという行為は信頼関係の基に成り立ちますから、私はいい出会いをしたと思います。

おっちょこちょいに気をつけます(>_<)
怪我をすると年とともに回復力が衰えているので、なかなか治りません。

「お気に入り登録」とリンクありがとうございます。
Posted by smile-one at 2011年12月14日 01:07
>バルおばさん

訪問&コメントありがとうございます。
塾といっても田舎は、あんまり緊張感なくゆる〜いものですよね。
受験戦争という言葉からはほど遠く、
都会から引っ越してきた人に「塾通いする意味がない」などと言われちゃいましたが、いいいんです。
自分の身の丈にふさわしい生活が送れれば、満足だから。

年とともに治癒能力も衰えるので、回復するのに時間がかかります(>_<)
怪我をしないにこしたことはありませんね。
Posted by smile-one at 2011年12月14日 01:12
>hirokunさん

訪問&コメントありがとうございます。

学友二人はちょっと寂しい感じもしますが、
この塾、意外と評判が良くて、
進学率も高かったらしいです。
あとで聞いた話ですけど、結構名前が知れた塾だったみたいでした。

運動して足腰きたえなきゃダメですね。
ウォーキングから始めてみます。
Posted by smile-one at 2011年12月14日 01:15
こんばんは 家庭教師に近いような、きめ細かい塾なんですね。私も塾の講師をしたことがあります。少人数だと、一人一人の理解度に合わせられるのでよいのですが、採算面で難しいのでしょうね。
Posted by ようこ at 2011年12月15日 00:43
私は塾に行ったことがない、というより、勉強したことがありません。
こんなにマンツーマンで教えてくれるなら、少しはできるようになったかもしれないですが、行こうという気にならないと、この先生にもめぐり合いませんね。
Posted by 熊さん at 2011年12月16日 00:01
>ようこさん

訪問&コメントありがとうございます。
少人数ならでのキメ細やかな勉強法でした。
確かに採算面では難しいように思いますが、
結構人気の塾みたいです。
Posted by smile-one at 2011年12月18日 01:07
>熊さん

訪問&コメントありがとうございます。
私は勉強ができる子ではありませんでしたが、
勉強すること自体は好きなんです。
変わってるでしょ?
何故?
どうして?
って疑問がいっぱいあって、それを知りたくなっちゃうんですよね。
成績に結びつかないところが難点でした。
Posted by smile-one at 2011年12月18日 01:09
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